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日本ニュース 戦後編 第154号

1948年(昭和23年)12月21日

[1]子供のあそび場 01:26

都会では道路で遊ぶ子どもが目立ちます。最近、特に交通事故で死んだり怪我をしたりする子どもが増えてきました。そこで東京南千住では14か所に子どもの遊び場を作り、その第一期工事の落成式を12月11日に行いました。子どもたちは大喜びです。できあがり早々たちまち大入り満員となりました。

[2]歳末の労働攻勢 01:17

銀座の真ん中に電車が立ち往生。これは電産が12月15日から行った1時間の電源ストで止まったものです。最低賃金制の確立と越年資金を要求する電産争議はまだ解決の見通しはつきません。

12月11日には全官公庁の組合が皇居前広場に集まり新給与案に反対の気勢をあげました。

<労働者代表>

政府は大量馘首を前提とする5,300円くぎづけ賃金の追加予算を上程し、少なき政策を押しつけようとしている。このままでは今年も年と冬は越せない。

<労働者代表>

労働者はともに立ちあがりまして6条件付きの7,300円即時支給を要求いたさなければならないのであります。

終わって賃金ベースを審議中の国会へデモを行いましたが、歳末を控えて労働攻勢は大きく広がっています。

[3]キツネ豪華版 北海道<時の話題> 00:41

北海道の深川町にあるキツネの養殖場。ここには今300頭のキツネがいますが、来年はこれを1,000頭にしようというもくろみ。この中にいる輸出用のプラチナという鼻筋と首の輪の白い種類は時価20万円。その末路はかくのごとくになる予定だそうです。

[4]でっかい大福餅 東京<時の話題> 00:28

東京浅草のあるお餅屋さんに現われたお化けのようなお飾り大福。なんと直径が2尺3寸、上下合わせて9貫600。中身のあんこもたっぷり。時価でざっと2万円というこのお餅を16人で平らげたら代金はいらないそうです。

[5]ゴー·ストップコンクール 東京<時の話題> 00:37

交通安全週間2日目の11日に銀座で行われたゴー·ストップのコンクール。全国から選ばれた53人のお巡りさん、思い思いのスタイルで大奮闘でした。

[6]年末の国会荒れる 01:09

12月11日の不当財産委員会には加藤勘十氏夫妻が立ち、商工省繊維事件に関して100万円はもらわないとつっぱりました。

<石田委員長代理>

そのもらった年月日、その金額、また、いかなる理由でおもらいになったか。それからそのカネの使途等につきまして明細にご証言を願います。

<加藤勘十>

私は梅村君からもらっておりません。

〈加藤夫妻 吉田首相 証言 -不当財委〉

翌12日、シズエ夫人、さらに鈴木茂三郎氏も、あれはきれいなカネだとつっぱりました。今度は吉田首相が100万円受け取ったという礼状が問題になりました。

<吉田首相>

全然承知しておりません。ただ献金があったから礼状を出してくれということが主であったものでありますから書いたのであって、どこにどうしてどういうふうな手続きで入ったとか出すとかいうことは一切知らないのです。

[7]大臣さまトラとなる 02:09

12月13日夜、泉山蔵相の酔っぱらい事件。

<山下議員>

廊下に出ることを彼は暴力をもって強要いたしました。私も相当な力は持っておりますけれども、泥酔せる男子にはかないません。そうして、彼の行いました行動を…。

<議長>

静粛に願います。

<野次>

恥を知れ、恥を!

<山下議員>

私が恥を知らなければならない前に、綱紀粛正を叫ぶ吉田内閣の閣僚がまずもって恥を知らなければならないことを私はここに言明いたします。

こんなわけで、泉山氏は大臣も議員も辞職、まことに前代未聞の醜態ぶりのおかげで、予算案の審議は遅れに遅れ、したがって解散も遅れ、徹夜に続く徹夜の年末国会は大変歯切れの悪い幕切れとなり、16日にやっと賃金ベースの目鼻がつき始めました。

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