日本ニュース 戦後編 第122号
1948年(昭和23年)5月11日
[1]新憲法一周年 01:05
5月3日、新憲法施行1周年記念式典は、参議院に天皇陛下もおいでになって厳粛に行われ、芦田首相が式辞を述べました。次いで正午からは赤坂離宮に、芦田首相をはじめ新憲法成立に苦心した金森前国務大臣などが集まり、祝賀の宴が開かれました。
[2]日食観測 礼文島第二報 00:58
北海の小島·礼文島は、いま数の子製造の最中です。この島が大きな役割を果たす日、5月9日のわずか0.7秒の貴重な一瞬を前に、アメリカのオキーフ班長や東京天文台の中野[三郎]技官をはじめ、各国の日食観測隊はそれぞれ準備を急いでいます。東京天文台の5メートルの大望遠鏡も丘の上にどっしりと腰をすえて、この太陽が金環食になるその日の一瞬間を待っています。
[3]-カメラ報告- “雑居”小学校 大阪 01:26
大阪市のある小学校。コンクリートの4階建てですが、子供たちは3階以上に行ってはいけないことになっています。なぜかというと、戦災を免れたおかげで、3階から上には大人のいろいろな学校があるからです。まず長唄の学校。仕舞の学校。尺八の学校。お茶の学校。小料理の学校。これらは大阪市のいわゆる芸能教室です。小学校の教室不足の折から、この大人の学校の立ち退きが要望されています。
<教室での男子児童>
みんなの学校、みんなの教室、楽しい学校にしましょう。
[4]民衆の俳句 授賞<時の話題> 00:43
5月2日、東京の月ヶ瀬が一般から募った10万余りの俳句から選んだ当選者の発表会。神奈川県で女学校の先生をしている双葉一心さんが当選しました。その句「生きて帰る故山の道やれんげ草」。
[5]“ワラ”の祭典<時の話題> 00:40
第2回全日本わら工品製作選手権大会は、5月4日、全国40都府県から159名の選手が参加して、東京·後楽園でにぎやかに行われました。郷土の栄誉をになって各選手汗みどろの奮闘ぶり。
[6]馬 オハラ節をおどる<時の話題> 00:26
馬がオハラ節を踊るという宮崎県母智丘神社、4月23日のジャンカン馬まつり。人間も一緒に踊っています。
[7]対立つづく東宝争議<時の話題> 00:29
会社側と依然対立を続ける東宝の組合側は、5月4日、第2ステージに総会を開き、撮影所一時休業に全面的に反対。直ちに北岡所長と会見しました。
<北岡所長>
会社側としましてはですね、経営の方針に従って、日本の国法で許されたるところの手段を講ずることになると思います。
[8]第十九回メーデー 01:46
5月1日メーデー。この日、東京では、60万の働く人々が人民広場に集まり、盛大な労働祭を行いました。良いお天気に恵まれて、色とりどりの行事が明るく楽しく繰り広げられました。
<社会党 浅沼稲次郎氏>
<共産党 徳田球一氏>
<私鉄総連 田中吉次氏>
われわれは、全世界の労働者とともに、人類の幸福と平和を抑圧とする金融資本家、ファシストの陰謀を突き破り、自由と平和と独立とをわれわれの手によって自ら確保しなければならない。
<メーデー参加者>
おー!
