日本ニュース 戦後編 第103号
1947年(昭和22年)12月30日
[1]クリスマス 01:17
聖なる主に祈りを捧げる東京立教女学校のクリスマス。
[2]銀嶺の快走 ニセコアンヌプリ(北海道)<スポーツ> 01:06
白銀の装いをつけたニセコアンヌプリの山肌。冬季大会に出場する全日本選り抜きのスキーヤーたちが、処女雪を蹴って冬山の魅力を満喫しています。
[3]不正行為の摘発へ 01:18
<舞鶴>
世耕事件以後、隠退蔵物資は各所で話題を集めていますが、舞鶴元軍港には退蔵物資が残されており、運輸省の手で1か月にわたって引き上げられました。
<大阪>
また12月18日には、大阪扶桑金属へ労農市民協議会が隠退蔵物資の摘発に乗り込んだことから、労働組合と衝突するなど、いろいろな問題が注目を集めています。
一方、12月20日、松岡衆議院議長は隠退蔵物資をめぐる人々の不正行為を断固摘発すると声明しました。
<松岡衆議院議長>
終戦以来、責任ある地位にあった者が、いかにその職に適正を欠き、資材を不当にも供給者の利益のために提供したかがきわめて明白なる事実となった。
<加藤勘十氏>
もし調査の結果、それが閣僚であれ、高級官吏であれ、政党の庶僚であれ、あるいは財界人であれ、そういうことには頓着なく、本当に国家再建のその気持ちからですね、行われなければならんと思います。
[4]百万円よサヨナラ 東京<時の話題> 00:39
くじを買った人は誰でもひょっとすると当たるかもしれないと思っていた百万円宝くじの抽選。12月24日、東京日本劇場でレビューガールの矢がぱしと当たるのが運のつき。3のつく組の185470、見物人には当たらなかったようです。
[5]ついに電車開通 東京<時の話題> 00:38
安井[誠一郎]都長官の手でテープが切られて、東京勝鬨橋の都内電車開通式は、12月23日行われました。隅田川にかかったこの橋は、船が通るときには上へ跳ね上がります。この種の開閉橋に電車が通るのは東洋に一つしかない珍しいものです。
[6]酷寒のブリ漁 富山<時の話題> 00:31
富山県新湊[現、射水市]の沖合、吹雪の中で荒波をついて漁民の果敢なブリ漁。前の日には4人の犠牲者を出したという冬の海の危険な作業です。12月23日、ブリ7千貫が水揚げされ、大漁の旗をひるがえして船は港へ帰りました。
[7]主戦論者はだれか? -東京裁判- 00:57
東京裁判は東郷被告の段階に入っていよいよ緊張。押し詰まった暮れの24日、被告のうちで戦争を主張したのはだれかというキーナン首席検事の鋭い反対尋問に、東郷被告は戦争を主張したのは東条元首相、嶋田元海相、鈴木元企画院総裁であると言い放って満場の注目を集めました。今までの各被告の陳述から、しだいに矛盾が暴露されてきた今日、何気ないような表情で食事をしているこの被告たちのうちで侵略戦争の張本人は果たしてだれか。傍聴してきた法廷は26日からついに東条被告の段階に入りました。
[8]正月の声 01:39
<埼玉>
水害をうけた利根川べりの村、お飾りが壊れた家にも飾られ、ひび割れた田んぼもそのままでお正月を迎えました。
<東京>
東京では羽根つきの音、焼け跡のトタン張りの家にもささやかなお正月がきたようです。
<富士>
富士山頂の観測所。この撮影は非常な危険を冒して行われました。雪と氷に閉ざされた中で気象観測に明け暮れするこの人たちは、たった一つのストーブを囲んで年を越しました。
