日本ニュース 戦后編 第81号
1947年(昭和22年)7月29日
[1]08月の声 00:52
本格的な暑さになってきました。動物たちは暑さにうだっています。人間もすっかりまいってしまいました。
[2]“世耕事件”第二報 真相はいずれに? 西尾·世耕両氏の談 02:05
7月22日、世耕問題について西尾官房長官の見解。
<記者>
「世耕代議士の言によりますと、今の閣僚の中にですね、この問題に関係した方があるというふうにおっしゃっているのですが」
<西尾官房長官>
「沼津の醸造会社にある砂糖の一部が放出せられたと。ヤミのほうに放出せられたと。そのときの農林大臣が和田君であったとか。あるいは木村君であったと。あるいはその中のカネがいくらか政治資金として芦田君に渡しているんじゃないかというようなことがどうもうわさの出所らしいんですが」
<記者>
「特に政治的陰謀とおっしゃいましたですけどね、そういうふうにおっしゃる理由はどういうところから出たんですか」
<西尾官房長官>
「無責任な抽象的なことだけしか言ってないと。つまり、事実の根拠がないにもかかわらずこういうことを言いふらすというところに政治的な意図があるんじゃないかと、こちらは判断するわけです」
<世耕代議士>
「問題をですね、とらえて政治的に申すというようなことは、むしろ国民を侮辱することです。それはなぜかというと、軍はかつて8年間、本土決戦をやるといって決意のもとに物資を集めた。その物資の行方はどうなったか。それともう一つ忘れてはならんことは、商工省が当時軍需省となったはずです。その商工省が軍需省となったその形態が終戦后どうなったか。それについて国民が明白に知ろうとしても知れておらない」
こう語ったのち、7月23日、世耕氏は再び検事局の取り調べをうけましたが、隠退蔵物資をめぐる世耕事件はいよいよ大きな政治問題となってきました。
[3]ギオン祭復活 京都<時の話題> 00:32
京の名物·祇園祭が7月17日、5年ぶりに復活。れいによって町々の電線まで切ってお囃子もにぎやかに山鉾を引き回りました。
[4]ころげおちた広瀬中佐 東京<時の話題> 00:20
Aクラスの戦犯銅像と決まった東京神田の広瀬中佐と杉野兵曹長の銅像が、7月22日、追放されました。
[5]廿五歳になった共産党 東京·戸倉保<みなさんの声> 00:37
共産党創立25周年記念大会が、7月19日、東京神田の共立講堂で開かれ、苦難に満ちた昔をしのびました。
(小野てる子さん歌唱·ひろし、ぬやま氏朗読)
[6]顔役退陣 東京 00:39
街の顔役追放に乗り出した警視庁では、7月21日、親分逃亡中の関根組一家から航空用軽機関銃と弾丸500発を押収、一方、親分を検挙された関東尾津組では、7月23日、新宿駅前で解散式。200名の子分たちが集まって株式会社に転換しました。
[7]キャメラ報告 明るみにでた“よろけ”病 足尾銅山 01:50
栃木県の山の中にわが国最初の賃上げストライキや鉱毒事件で有名な足尾銅山があります。ここでも生産増強に激しい努力が続けられています。しかし、銅を含んだ岩石の粉を吸い込むために、ほかの金属鉱山と同様、多数の人が珪肺、すなわち「よろけ」と呼ばれる病気にかかっています。粉を吸い込むと肺の組織が固まって呼吸困難になり、ついに死んでしまう職業病です。
<足尾鉱山病院小林博士>
「“よろけ”といわれるこの珪肺患者は、山によっては相当たくさんの患者を出す。今まではその真相が発表されなかったために、珪肺予防対策が確立しなかったり、補償も十分でありませんでした」
この病気が生産増強を妨げるので、7月12日に開かれた労働組合と町民の生産復興大会では食糧問題などとともに職業病対策が問題となりました。
<鉱山従業員>
「まず坑内に入って働く人が、俺はここで働いて怪我をしても、あるいはまたここで窒息しても、俺たちの家族は国家で完全に保障してくれるのだということが、自分の心から本当に力いっぱい働くことによって増産というものが成り立つのではないだろうか」
[8]全日本学生陸上競技 00:57
7月20日のナイルキニック·スタジアム。全日本学生陸上競技100メーター決勝、中央大学の仁田脇トップ、続いて新潟医大の阿部、ぐんぐん出ましたが、ついに及ばず、10秒7で仁田脇優勝。前日に続いて各種目に中央大学、依然優勢。この日の呼び物400メーターリレースタート。中央大学がリードしています。最后の50メーター、東京体育専門の伊藤、ぐんぐん抜いてそのままゴールイン。しかし、結局、総計69点で中央大学優勝。
