日本ニュース 戦后編 第76号
1947年(昭和22年)6月24日
[1]今週の東京裁判 01:10
いよいよ日独伊三国関係の反証に入った法廷には、6月17日スターマー元ドイツ大使が証人として出廷。三国同盟締結はリッペントロップ外相の命令どおりにしたにすぎないと証言しました。
すぐる昭和15年09月、三国同盟成立祝賀会では当のスターマー特派大使が条約締結の立役者として一般から注目されました。
<スターマー大使>
「閣下ですか。如何です?」
<大島>
「今度はお国へ大きなお土産を持って帰れますね」
<スターマー大使>
「条約締結というお土産があるので嬉しく思っています」
この軍事同盟がはたして太平洋戦争を目的にしたかどうか。それが審理の焦点になっています。
<スターマー元大使>
「それについて、聞いたことはありません」
[2]-キャメラ報告-海底の炭鉱 長崎、高島炭鉱 01:34
長崎港の沖にある高島炭鉱は、かつては囚人を酷使し、明治初年以来、数回にわたって血なまぐさい暴動まで起こったところです。しかし、その一つ端島は今では島中が大ビルディングで坑夫長屋も9階建てのアパートになっています。最近は設備もここがいちばんよいと伝えられていますが、坑道は数千尺の地下から海のほうまで延びており、石炭は海の底から掘り出されているありさまです。
石炭増産のため、国家管理が問題になっているおりから、働く人たちの増産の見通しは。
<記者>
「政府で3000万トン出したいと言っているわけですね。この炭鉱では3万トンまでいきませんか、ここでは」
<坑員>
「3万トンまでは、実は私どもも心配しているのでありますが、目標は、2万3000トンだけはなんとかして確保したい。そういうときは全部十分に責任を果たすつもりでおります」
[3]-六大学野球-慶応優勝す 01:22
六大学春の王座を決する早慶第2回戦、6月17日の后楽園スタジアム。第1回、慶応の攻撃、ワンダンフルベース。バッターは大島、ピッチャー岡本、投げました。打ちました。ライト線上のヒット。三塁のランナー増山、二塁の久保木、くつわを並べて
[4]世界航空路東京へ- 羽田<時の話題> 00:40
アメリカのノースウエスト航空会社の太平洋横断商業航空路が7月15日から開設されることになりました。使用機はダグラス46人乗りで、シアトルから東京までわずか22時間。キング東洋総支配人は、この航路によってアメリカと日本の間がもっとしっかり結ばれることを望む、と語りました。
[5]天皇文楽を御覧 大阪<時の話題> 00:38
関西ご視察の日程を終えた天皇陛下は、6月14日、文楽座に御成り、大阪が誇る古典芸能、人形浄瑠璃を初めてご覧になりました。
片山首相、一松厚相の姿も見えます。
[6]小平判決 東京<時の話題> 00:26
殺人鬼小平義雄は6月18日、東京地方裁判所において岸裁判長より死刑の判決を言い渡されました。これに対し小平の弁護人·三宅正太郎氏は控訴をするといわれます。
[7]財閥株一般売出し 東京<時の話題> 00:23
勧業銀行の金庫にしまい込まれていた200億円にのぼる財閥の株券が一般に売り出されることになり、6月18日、東京市政会館で証券処理調整協議会が開かれました。
[8]フラナガン神父帰る 横須賀<時の話題> 00:29
来朝以来、浮浪児の問題を調査していたフラナガン神父は、6月17日帰米の途につきました。
<フラナガン神父>
日本を去るにあたって、私は皆さまに神の祝福があるようお祈りします。サヨナラ。
[9]-再開近し-貿易の現状は? 02:03
貿易再開を前に、6月19日、東京で全国貿易業者大会が開かれました。
<和田安本長官>
「押し詰めていけば、やはり商品の世界においても、経済の世界においても、どこの世界においても、最后の勝利を得るものは、私はこれは信用だろうと思います。」
すでに貿易館には竹や藁細工品、陶器、漆器など、全国各地からいろいろな輸出品の見本がわれこそはとばかり集まってきています。これらの商品は厳密な検査をうけます。しかし、中には象嵌がはげたり亀裂ができたりする粗悪品も見えます。かつて輸出品の王座を占めた生糸はすでにアメリカではナイロンに押され、横浜の倉庫には売れないままに積まれているものも相当あります。輸出品の中でいちばん有望と見られる綿糸の工場では、資金、資材の不足や技術の未熟から生産は戦前の10分の1であるといわれています
<工場の人>
「貿易が再開になりましても、綿の問題だとか、電力の問題だとか、熟練工の不足だとか、という問題がありまして、なかなかそう簡単に華々しいスタートはできないと思います」
待望の世界貿易への参加をひかえながら、前途には幾多の困難があり、これが必要な食糧や原料の輸入に影響するだけに注目されています。
