日本ニュース 戦后編 第58号
1947年(昭和22年)2月18日
[1]日農大会混乱に終始 00:47
日本農民組合第2回全国大会は、2月12日早稲田大隈講堂で開かれ、代議員約1200名が出席。大会劈頭から多数を占める左派と本部側右派が対立、議場は混乱に陥り、組合今后の動向は注目されています。
[2]東京裁判新段階へ- 00:42
165回にわたって審理を重ねていた東京裁判は、2月03日ウェッブ裁判長から3週間の休廷が宣せられ、ここに検事側の立証段階を終わりました。弁護団側は反対の証拠固めに被告側との打ち合わせを始め、見慣れた顔が金網越しに話し合っています。かくて24日から再開される法廷はいよいよ反対弁論の新段階に入ることになりました。
[3]廿六聖人記念ミサ 長崎 00:37
豊臣秀吉のキリスト教弾圧政策によってヨハネ喜左衛門など26人の信者たちが磔になってから350年、長崎では2月05日、信者たち約1000人が、今もなお十字架の立っている刑場跡で盛んなミサを行ないました。
[4]南極から鯨の第一船 00:43
鯨を求めてはるばる南極にまで行った捕鯨船団の第一船、第三十二播州丸が2月11日東京港に帰ってきました。船員たちの顔には3か月間の苦労の跡がしのばれ、お土産は鯨肉150頭分、約9万貫、荷揚げされた肉は南氷洋の潮の香の抜けぬ翌日から1人当たり30匁ずつ配給され、魚不足に悩む都民に一息つかせました。
[5]悦っちゃんお別れスケート 兵庫<時の話題> 00:22
02月09日、六甲リンクのフィギュアスケート大会でかつての悦っちゃん、当年とって24歳のイバラキ夫人がお別れスケートの鮮やかなところを見せました。
[6]“電熱器売ります” 名古屋<時の話題> 00:18
名古屋高等理工科学校の生徒たちは、働きながら勉強するのだと校内で電熱器を製作、街でその商売まで始めました。
[7]あばれるお祭り 石川<時の話題> 00:24
02月10日の石川県大聖寺町石部神社のお祭り、6尺の青竹を振り回してきょうばかりは天下晴れての大暴れ。この割れた竹を拾って帰ると厄除けになるということです。
[8]新型組合結婚 東京<時の話題> 00:32
結婚の贈り物から式場の飾りまで職場の仲間の手製品ばかりという、東京教育玩具工場の新型組合結婚。
[9]発狂者続出 バラまかれた航空ガソリン 02:12
去る2月06日、群馬県富岡町沖電気工場でガソリンを燃やしてあたっていたところ、そのガスをかいで16名の労働者が中毒、うち1名は死亡、1名は重体の惨事を起こしました。東京でも同じ中毒が続出、ある患者は慶応病院に入院中ついに発狂。
<医師>
「何が見える? 何が見える?」
<患者>
「山になっているね」
<医師>
「山が見える?」
<患者>
「ええ」
<医師>
「怖い?」
<患者>
「音が聞こえた」
<医師>
「何の音が聞こえる?」
<患者>
「かんばんだってかんばんだって」
<医師>
「かんばんだってかんばんだってと言ってる?」
<患者>
「はい」
警視庁では直ちに原因調査にかかり、患者の発生した塗装工場を調べたところ、使用した機械油が戦争中作った有毒な四エチール鉛入り航空ガソリンで、しかもすでに街頭にはライター油として売られていることがわかりました。これはゴム工場、印刷工場などでも用いられ、手につけても匂いをかいても中毒するといわれますが、本社では直ちに警視庁の方針を聞いてみました。
<記者>
「それに対してどういう政策をたてているか」
<警視庁三雲衛生検査所長>
「現在、警視庁から厚生省に稟議しまして、飲食物用以外の目的のために使うことも停止してもらうように今折衝中です」
<記者>
「そうしますと、結局、法規を変えていくわけですな」
<警視庁三雲衛生検査所長>
「そうです」
<記者>
「その法規は改正するまではですね、ちょっとないわけですな」
<警視庁三雲衛生検査所長>
「そうです」
この有毒なドラム缶は、敗戦とともに軍の手で広くばらまかれたため、全国に発狂者続出の恐れあり、この鉄の輪入りドラム缶をめぐってようやく問題は重大化してきました。
