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日本ニュース 戦後編 第57号

1947年(昭和22年)2月11日

[1]経済復興会議開く 00:33

2月6日、東京に経済復興会議が開かれ、全国の労使代表、左右両政党の犬養、野坂両氏らも参加して決議を行ないました。

<参会者>

「まじめな経営者、ならびに勤労大衆の支持を勝ち得るような強力かつ実行力ある政治力を期待してやまないのである」

[2]熊澤天皇京都に転入 00:49

終戦後いち早く名乗りをあげた今年59歳の熊澤天皇は、名古屋では周囲がうるさいというのでこのほど南朝一家をあげて600年ぶりで京都に都を移しました。そこで本社記者は早速このささやかな御殿に参上しました。

<記者>

「新日本建設についてどういうふうにお考えになりますか」

<熊澤天皇>

「万世一系ならざる皇室を是正して、そうして国民の強き日本を作り上げることです」

<記者>

「今の政局についてはどういうふうにお考えになりますか」

<熊澤天皇>

「吉田内閣の猿芝居をやめて、早く新生日本を作り上げることです」

<記者>

「今のストライキについてどういうふうにお考えですか」

<熊沢天皇>

「良民の益のためのストライキ、これはやむこと得んでしょう。さように至らしめたのは吉田内閣の大欠点であります」

[3]アメリカからコドモの本<時の話題> 00:23

2月1日、日本橋三越でニュージェント中佐から高橋新文相へ、アメリカ教育使節団の心尽くし、よい子の本がたくさん贈られました。

[4]ある夜の宮さま<時の話題> 00:22

高松宮様は2月2日夜、銀座メリーゴールドのダンスパーティに御成り、ミス東京がお相手をと胸とどろかすのを軽く振ってただご見物。期待した皆をがっかりさせました。

[5]璽光さま一高に現る<時の話題> 00:18

2月2日、58回記念祭の一高に突如璽光さま第二世が現れ、天地称名を唱えて見物をけむにまきました。

[6]立春とタマゴ<時の話題> 00:24

卵が立つか立たぬか、立春の話題を中央気象台で実験した結果はごらんのとおり。

<中央気象台 久米技師>

「立春の時刻に卵が立つといってだいぶ騒がれているようですが、卵が立つことと立春とは直接なんの関係もありません。卵の重心からおろした円直線が下の接触面を通るように静かに注意して立てれば立ちます」

[7]“厄除け東西” 00:40

(東京)

「福は内、鬼は外」、2月4日の節分。東京増上寺では一粒いくらの豆まきに神明のきれいどころまで総出動。しかしお米の遅配という鬼に苦しめられている人たちは大喜びです。

(京都)

京都は吉田神社の厄除け豆まき。ところで、どこかで見たような顔の鬼が豆の代用品、紙つぶてを投げつけられてほうほうの体で退散しました。

[8]-本社街頭録音-吉田内閣を支持するか?-東京有楽町- 02:52

改造吉田内閣は三たび連立を考えています。この内閣を支持するかどうか。これについて本社では2月5日、初めての映画街頭録音を行ないました。

<記者>

「みなさまに申し上げます。ただ今より吉田内閣を支持するか、あるいは反対するか、みなさんのご自由なご遠慮のないご意見を聞きたいと思います」

<発言者·男性>

「私たちが働けば働くほどですね、このヤミ屋さんは増えてくるし、それからお札はどんどん増えてくるので、私たちの月給はいつまでたっても上がらないんです」

<記者>

「あなたお役人ですね」

<発言者·男性>

「ええ、役人なんです。そしてね、私たちが今待遇改善の要求を出しておりますですね、あれを出したときよりもね、今のほうがね、月給は一銭も上がらなくてもね、物価はね、何割も、3割も4割も上がっているんですよ」

<記者>

「坊や、考えたとおりでいいんだから、思ったとおりをね、正直に」

<発言者·少年>

「吉田内閣は絶対反対です」

<記者>

「絶対反対」

<発言者·少年>

「ええ」

<記者>

「言う必要ないということでもけっこうです。一言でもけっこうです。立派なご意見ですから」

<発言者·男性>

「吉田内閣に替わるべき人材は今なしと見て吉田内閣を見送る以外に道はない。弱い吉田内閣であるなら、国民は盲動を避けて、この世界の態勢に準拠して、まず来るべき総選挙に立ち至るまでこの吉田内閣に十分の力を伸ばしていく以外に道はないと考えるのであります」

<発言者男性>

「今、吉田内閣を支持するようなあいまいな意見がありましたけれど、あれは絶対反対で、私は吉田内閣打倒とします」

<記者>

「簡単にひとつ」

<発言者·男性>

「簡単に言います。僕は中立」

<記者>

「どいうわけで?」

<発言者·男性>

「これをですな、今の敗戦後の事実をですな、全部吉田内閣に押しつけるというのは国民は卑怯である」

<発言者·男性>

「絶対に吉田内閣に反対します。なぜならば、明治以来70年間、われわれは彼ら資本家の手によって搾取せられたのであります。戦犯的資本家を保護する現在の吉田内閣ならびに石橋体制には絶対反対して、われわれ労働者、日本民族の9割5分を占める労働者の力によって私たちの内閣を作り政府を作ってわれわれ民族の発展を期さなければならないと私は断言します」

<記者>

「どうもありがとうございます」

<記者>

「これからマイクをみなさんの口の前へ持っていきますから、反対、あるいは支持と、はっきりご返答をお願いいたします。どうぞお願いします。あなたはどうですか」

<発言者·女性>

「打倒です」

<記者>

「打倒?」

<発言者·女性>

「はい」

<記者>

「あなたは?」

<発言者·男性>

「反対です」

<発言者·男性>

「反対です」

<記者>

「反対」

<発言者·男性>

「中立です」

<発言者·男性>

「賛成です」

<発言者·男性

「支持します」

<発言者·男性>

「反対」

<発言者·男性>

「反対」

<発言者·女性>

「反対です」

<発言者·男性>

「反対」

<発言者·男性>

「反対!」

<発言者·男性>

「反対!」

<発言者·男性>

「絶対反対です」

<発言者·男性>

「反対」

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