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日本ニュース 第216号

1944年(昭和19年)7月22日

[1]国土戦場 サイパン島守備隊玉砕 05:47

栗原海軍報道部長

<栗原海軍報道部長:

大本営発表。昭和19年07月18日17時。

1、サイパン島の我が部隊は、7月07日早暁より、全力を挙げて最后の攻撃を敢行。所在の敵を蹂躙(じゅうりん)し、その一部はタポーチョ山付近まで突進し、勇戦力闘、敵に多大の損害を与え、16日までに全員、壮烈なる戦死を遂げたるものと認む。同島の陸軍部隊指揮官は、陸軍中将齋藤義次。海軍部隊指揮官は海軍少将辻村武久にして、同方面の最高指揮官、海軍中将南雲忠一、また同島において戦死せり。

2、サイパン島の在留邦人は終始軍に協力し、およそ戦い得る者は敢然、戦闘に参加し、概(おおむ)ね将兵と運命をともにせるものの如(ごと)し。終わり。>

この島、我が土サイパンに屍を埋め、血を流し、限りなき勇武の勲しは香る。この島、我が土サイパンは、南に進んだ同胞の、流れ落ちる汗を拭いもせず、苦闘を重ねた実りであった。血と汗と屍(しかばね)と、そしてはさらに魂と、だれかこれを侵せしアメリカを許し得ようぞ。今もなお、恐らくはサイパンの天地に、英魂屹然(きつぜん)と立って、護国の戦いを続けていよう。その誓いは、我が身をもって太平洋の防波堤たらん。

<男性1>

「皆さん、サイパンの将兵は全員、壮烈なる戦死を遂げられました。大本営発表によりますれば、在留邦人も全員、軍に協力し、そうして運命をともにし、婦女子までも弾丸や糧食を運んで協力いたしました。我が校におきましては、かつてサイパンの国民学校に在学しておりました、和田ヨシロウ君、和田エイジ君が転校してまいりましたので、なおさらサイパンの現状を考えてみましたときに、本当に胸が湧き、本当に血がたぎるようであります。皆さん、我等(われら)、おごれる米英を撃滅して、本当に復讐しなければなりません。私たちは、この誓いを八幡様のおお前に、本当に心からお祈りを捧(ささ)げてお誓いをいたしたいと思います。」

<先生>

「敬礼。直れ。」

「ぼくたちの組で、サイパン島から和田君が入ってきましたね。和田君、サイパン島に君の仲の良い友だちがまだ残ってたの。」

<和田>

『まさちゃんや、隣のまーちゃんが(音声中断)ってます。まさちゃんやまーちゃんたちは、最后まで兵隊さんを助けて働いたと思います。』

<生徒1>

君のお母さん、サイパン島にいるとき、飛行場を造るお手伝いをしたんだって?

<和田>

『うん。ぼくもお母さんも。』

<生徒2>

お父さんは?

<和田>

『お父さんは今も南方で働いているよ。』

<先生>

「今、和田君から聞いたように、和田君のお父さんも、お母さんも、それからまさちゃんも、まーちゃんも、一生懸命になってお国のために働いたんです。みんなもこれから、しっかりやりましょう。」

<和田>

『はい、先生。ぼくたちはきっと米英をやっつけます。』

<先生>

「じゃ、みんなもしっかりやろう。」

<全員>

『はい。』

<先生>

「敵、アメリカの島伝い戦法(アイランド·ホッピング)は、ついに我が本土からわずか二千余キロのサイパンまで迫りました。サイパンと言いますと、東京からでも、北九州からでも、四国からでも、台湾からでもわずか二千余キロで、爆撃の航空距離にしますと、5時間です。今、サイパンを中心としまして、東京までの距離、2280キロを半径として円を描きますと、近畿、四国、九州、琉球、台湾、盟邦フィリピンもその圏内に入ります。」

我が国土に戦場は広がり、帝国まさに重大関頭に立つ。一針、一針に命を込めて、この関頭に学校教室もまた、戦場の気組みさながら。

[2]傷痍軍人も弾丸作り 01:43

いまだ白衣を身にまとい、東京臨時第一陸軍病院に気合いに生きる病院工場さえも生まれた。一弾、一弾がアメリカ兵、イギリス兵の胸板を狙って飛び出していくのだ。ここは既に病院工場ではない。前線に傷つき、銃后に帰って、しかもなお撃ちてし止まん気迫に満ちて、増産と取り組み真剣勝負の傷兵工場だ。この姿を見て、恥ずるところなきや。サイパンの訃報(ふほう)に歯ぎしりし、職場では決戦増産の叫びが挙がっている。あるいはこの傷兵工場に、あるいは片倉航空機工場に。

<女性>

『目がくらむような暑さ。汗の出た体に、ジュラルミンの粉がいっぱいまみれたり、長時間の作業のために、足も体も棒のように疲れてしまったり、お互いの労苦は十分によくわかります。けれども、前線将兵のあの日夜のご奮闘に比ぶれば、まだまだそれでは足らないと思います。私たちは今ここに、皇軍勇士の武運長久を祈願し、どんな困苦に耐えても、航空機の増産に邁進(まいしん)することを、天地神明にお誓いいたし、皇国臣民の本分を全(まっと)ういたしましょう。』(拍手)

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