日本ニュース 第190号
1944年(昭和19年)1月20日
[1]三笠宮殿下 前線より御帰還 02:04
かしこくも三笠宮殿下には、金枝玉葉(きんしぎょくよう)の御身をもって満1か年、支那(シナ)派遣軍参謀の御要職にあらせられましたが、1月14日、羽田飛行場に御着。めでたく帝都に御帰還あらせられました。
翌15日、殿下には大本営陸軍参謀として、初の御登庁をあそばされましたが、御精励のほど、拝すだにかしこき極みであります。
これより先、殿下にはかつての激戦の地、香港要塞を御巡視あらせられ、皇軍の勇戦奮闘の跡を親しく御視察あそばされました。
かく尊き御身をもって、日夜前線御指導の任に当たらせたもうた殿下の御姿を拝し、我等(われら)国民挙げて一層のご奉公を誓い奉るものであります大軍艦旗の下、皇国必勝を誓う横須賀海軍観兵式は、1月15日、帝国海軍発祥のゆかりも深い同海兵団練兵場で盛大に挙行さる。豊田鎮守府長官、晴れの式場を圧して居並ぶ精鋭を閲すれば、海の強兵の胸は高鳴る。
[2]海の強兵 横須賀海軍観兵式 01:38
ついで、輝く大軍艦旗を掲げ、歩武堂々の分列行進。皇国鎮護の大任や重し。海の強兵。決勝の気迫は既に敵を飲み、米英撃砕の決意を見よと、地軸を蹴(け)って行進する。誠に頼もしき限りでありました。
[3]洋上を行く機動部隊 00:49
今や敵の反攻熾烈(しれつ)なり。されど、見よ、南に北に厳たる守りいや固く、帝国海軍堂々の出撃。
[4]訓練励む予科練習生 04:12
国を思う道に二つはなかりけり 戦の庭に立つも立たぬも。
戦の庭に立つも立たぬも 銃後よ、懸命に励む銃後よ。一機でも多く、一刻も早く、飛行機を造れ。飛行機を送れ。我等(われら)はひたすらに大空目指し、一刻も早く飛び立つ決意だ。ここは海軍航空隊。折からの寒風もものかは、血のにじむ予科練習生の猛訓練である。
鍛えよ、肉体。研ぎ澄ませ、叡智(えいち)。学び取れ、技術。かくて空の戦いに、我等の精神力は敵を撃滅する。訓練、訓練、決戦は今だ。心は既に空にあり、予科練習生。
一機でも多く、一刻も早く、南へ北へ、若鷲の決意に続け。
