日本ニュース 第130号
1942年(昭和17年)12月1日
[1]聖戦完遂を訴える東條首相<大東亜戦争一周年記念> 03:40
帝国、米英に戦いを宣してよりここに1ヵ年。御稜威の下、外、忠勇たぐいなき将兵の奮戦と、内、銃後一億の鉄の団結は史上未曽有の大戦果を挙げ、絶対必勝の体制に輝く大東亜戦争第2年を迎えた。
<東條首相>
「国民諸君、かしこくも米英に対する宣戦の大詔を拝しましたるは、実に1年前の本月本日であります。この間、我々一億同胞はひたすら聖旨を奉戴(ほうたい)して戦って参ったのであります。御稜威の下、忠勇なる皇軍将兵は、海に陸に空に史上かつてなき、赫々(かくかく)たる大戦果を収めたのであります。銃後国民もまた、よく困苦艱難(かんなん)に耐え、立派に務めを果たして参ったのであります。私はここに国民諸君に対し、心から感謝と敬意とを表するものであります。今や帝国は有事の体制のもと、決戦に次ぐに決戦をもち、この一戦を勝ち抜かんとしているのであります。米英屈服の最後の日まで戦い抜いて、大東亜地域の中核たる責務を全うし、大東亜積年の禍根を一掃せんとしておるのであります。国民諸君、我々一億国民の進むべき道は単簡明瞭であります。一億一心、ひたすら戦力増強の一路をまっしぐらに進むばかりであります。第一線将兵が思う存分戦い抜けるよう、一刻を争って、もっぱら戦力の増強に骨身を砕くことであります。ここに感激深き、宣戦一周年を迎こうに当たり、私は国民諸君とともに前線将兵の心を心とし、決意を新たにして戦力増強の一途に邁進(まいしん)せんことを期するものであります。」
[2]戦車工場<大東亜戦争一周年記念> 00:57
戦争第2年は、まさに全国力を賭した生産力の戦いである。近くはソロモン海戦に見るがごとく、敵米英の執拗なる反攻は何を物語るか。彼らはその豊かなる資源と大いなる生産力を頼んで惨憺たる敗戦、第1年の挽回を策している。もとより勝利は必勝の信念と確乎不抜の精神の上に輝く。
だが近代国家総力戦の今日では、質においても量においても、ともに敵に勝る武器を欠くことはできない。我ら銃後国民は武器の生産でもまた敵を圧倒しなければならない。
[3]飛行機工場<大東亜戦争一周年記念> 00:42
戦いは正にこれからである。夜といわず昼といわず、工場に働く産業戦士のふるうハンマーに力がこもる。一台でも多く戦車を作ろう。少しでも多くの弾を、大砲を、飛行機を、軍艦を、船を前線に送ろう。
[4]造船所<大東亜戦争一周年記念> 00:47
音声と映像のみ、ナレーション無し。
[5]大本営海軍部首脳<大東亜戦争一周年記念> 01:03
国家挙げて武器生産の増強に挺身(ていしん)するのとき、大本営陸海軍部の作戦室では、杉山参謀総長、永野軍令部総長、以下幕僚の知能を傾けて雄渾無双の大作戦が次々と生み出されていく。この大いなる作戦は忠勇たる将兵と、優秀なる武器と相まって海陸空に世界をして驚嘆せしめる威力を発揮する。
卓抜する作戦、たくましき将兵。優れたる武器が、過去1年の間に東亜の天地に世界始まって以来の大戦果を樹立した。
[6]北満の守り関東軍<大東亜戦争一周年記念> 01:09
戦線実に2万キロ。南に上がる大戦果に呼応して、北満の護(まも)りにつく我が関東軍は、満目蕭条(まんもくしょうじょう)たる極寒の大陸に厳として揺るがず。刻々変わる世界情勢に対処して、米英撃滅第2年、皇国を万代不壊(ばんだいふえ)の安きに置いている。
(北満の守りにつく関東軍の様子)
[7]洋上を圧す連合艦隊<大東亜戦争一周年記念> 02:32
(艦隊の砲撃·航空隊の様子)
波濤(はとう)万里、帝国無敵海軍、北洋に、インド洋に、はたまた太平洋に、米英撃滅の陣を敷くこと既に1年。皇国の興廃を賭したこの一戦に、全将兵の意気は火と燃える。洋上、波騒がば騒げ、風吹かば吹け、米英の反撃何するものぞ、威なるかな帝国海軍、厳たるかな帝国海軍。
(艦隊が前進している様子)
