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日本ニュース 第73号

1941年(昭和16年)10月28日

[1]三笠宮殿下御成婚の御盛儀 01:47

秋空さわやかに晴れて、菊の香りもいや高き10月22日、かしこくも三笠宮崇仁親王殿下には御めでたく御結婚の礼を挙げさせられました。この日殿下には御束帯姿も神々しく、青山東御殿をご出門、宮城へ向かわせられました。

高木百合子姫には、大垂髪(おすべらかし)のお髪に、お表衣(ひょうい)のお装いもひときわ美しく、ご親族その他のお見送りのうちを、赤坂区青山高樹町のご実家から御順路を宮城へ参入させられました。

かくて賢所大前(かしこどころおおまえ)に、晴れのご盛儀を終えさせ賜うた三笠宮同妃両殿下には、午前10時20分宮城御発、御同乗の自動車鹵簿(ろぼ)にてご機嫌うるわしく、青山東御殿に御帰還あそばされました。民草一億の歓喜は、この日全国津々浦々に満ちあふれ、竹の園生の御栄を寿ぎ奉ったのであります。

[2]戦時経済への協力 賀屋蔵相要望 01:06

<賀屋興宣蔵相>

「険悪極まれるこの国際情勢の元において、高度国防国家建設の要務であることは、いまさら言うまでもありません。そのためには国家としても多額の経費を必要とし、また民間の生産拡充のために巨額の資金が必要であるのであります。その資金を生み出すものは、実に国民貯蓄の増加にあるのであります。この際、一億国民はあらゆる困苦欠乏に耐え、極力消費を節約し、出来うる限り貯蓄に努め、もってこの危難を突破し、万民翼賛の実を挙げられんことを切望してやまざる次第であります。」

[3]海軍将校の乗馬訓練<週間話題> 00:47

これは、海を家とし、海に生きる海軍の将校たちが太平洋の荒波をよそに、悠々として御門違いの手綱を引き締め、心身の鍛錬に余念のない姿です。

東京にあって陸上勤務の将校達は、潮風に鍛える機会に恵まれませんので、こうして暇を割いては「海軍の荒馬乗り」などと言われるほどに馬に親しみ、時局突破の体制をいかんなく整えております。

[4]北支の捕虜収容所<週間話題> 01:01

丸腰の支那兵がのんびりした顔つきで、秋の日差しをいっぱいに受けて、教えられた体操を楽しんでいます。

体操がすめば朝の食事。夫や子どもと一緒に、捕虜となった将校の細君がご飯を運んでいます。そして食事が終われば愉快な遊戯が待っています。

かつて給料の不払いから飢えに苦しんだ悲惨な生活はどこへいったのでしょう。徹底抗日と言い、焦土交戦と絶叫する蒋政権の傀儡(かいらい)となって、わけもわからず闘っていた支那兵が、日本軍の捕虜となって初めて知る喜び。兵隊さんの紙芝居に手を打つ彼らは、もう迷いの夢から覚めています。

[5]芳沢特派大使仏印へ<週間話題> 00:56

<芳沢仏印特派大使>

「私は今回、政府の命によって近く東京を出発して、仏印に赴くこととなりました。

私の使命は本年春できました日本と仏印との間における経済協定、および本年7月締結となりました共同防衛議定書、この2つに基づいて、両国間の政治的および経済的関係をいっそう密接にするというのが私の使命であります。」

[6]南支の石灰岩発掘<大陸各所に資源開発進む> 01:02

ここは広東の西方およそ100キロの地点にある南海県、洞口(どうこう)。石灰岩の岩脈が延々として連なり、岩を打ち砕くダイナマイトの轟音(ごうおん)が大地をゆるがしています。

働く人たちは、一握りの石灰も、文字通り大陸再建の礎と、はるばる乗り出して行った日本人。すすんでこれに力を合わせる中国人ら数百名。掘り出された石灰岩はこの近くのセメント工場で精製され、すべて現地の建設資材として使用されております。

[7]中支の綿花収穫<大陸各所に資源開発進む> 00:51

アメリカ、インド、エジプト、いわゆる英米陣営に綿の大半が産出します。しかしこれらの国の綿に比べて決して劣らないのは、北支、中支の沃野に実を結ぶ綿であります。今、中支では綿の収穫に、老いも若きも懸命な努力を重ねております。中支でとれる綿は品質改良に工夫が加えられて、日本向けには最も有望です。英米の経済圧迫にもかかわらず、大陸各地にはこのように建設と開発が力強く進められております。

[8]騎兵学校の機械化猛訓練 01:47

快速を利して一挙に敵陣突破の華やかさをうたわれた騎兵部隊は、今やその快速に加うるに近代的機械化をもって益々その威力を高めております。これは機甲兵団の一翼を担う騎兵学校の猛演習。

馬をとばして敵陣に迫れば、たちまち地にはって猛射の雨を浴びせ、陸続と続く戦車の援護のもと、雪崩をうって敵陣におどりこむ、きわめて合理的な戦術であります。

この颯爽(さっそう)として近代兵器の集中するところ、いかなる頑敵も歯向かうに術なし。時局の緊迫感いよいよ大なるとき、見よ、精鋭陸軍が全世界に示す厳然たるこの偉容(いよう)。

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