年月日:1941:19410128:19410128-t-jpn-dea-002-日本新闻



日本ニュース 第34号

1941年(昭和16年)1月28日

[1]全日本学生スキー選手権大会 01:32

北海道小樽毛無山に銃後若人の溌剌(はつらつ)たる意気と力を争う第14回全日本学生スキー選手権大会の4日目、いよいよ耐久競技に移り、覇権を賭けての熱戦を展開。戦いは予想に反して早大組意外に振るわず、48番明大選手、最初からすばらしいピッチで力走。3時間16分52秒の好記録で優勝。

かくて、最終日を飾る飛躍競技に入り、早大は果敢なる反撃ぶりを示し、西選手は第1回49m5、第2回50mを飛んで、明大の新鋭、森選手を抑えて優勝。万丈の気を吐きましたが時すでに遅く、結局総得点62点を上げて明大堂々たる3年連続制覇の偉業を完成しました。

[2]農村へ慰安を移動文化隊活躍 01:46

美しく雪を頂いた赤石山脈のふもと、ささやかな伊那の農村へ見慣れぬ一団がやって来ました。これは国民文化再建に乗り出した演劇運動の1つ、東宝移動文化隊の活動ぶりであります。長期戦下、営々としてそれぞれの仕事にいそしむ農村や漁村へ朗らかな笑いを持ち込み、健全な娯楽を送り込んで、明日の活動力を養おうという意図のもとに、21日のこの伊那村を皮切りに、各町村を巡り歩いてお百姓さんたちを喜ばせています。これは一番人気を集めた腹話術。

(腹話術の様子)

[3]敗戦祖国の再建誓う老元帥(仏) 01:22

フランス敗れたり。混乱と絶望の祖国を救うべく敢然立ったペタン元帥は84歳の老躯(ろうく)を下げてヴィシーに新政府を組織。ラヴァル、アンチジェイ氏らとともに連日連夜国難打開に当たっています。フランスはどこへ行く。ぼう然たる国民を指導してドイツと協力。祖国再建に骨を削り、肉をそぎ、内にドゴールの叛軍と戦い、外にはイギリスに宣戦。旧臘(きゅうろう)国民の士気を鼓舞すべく久しくマルセイユを訪問。

(民衆の風景)

マルセイユ市民歓呼して老将軍を迎う。しかしながら三色旗の栄誉、既に地に落ちてその前途知るによしなく。わずかにこの人の上にその運命を託して活路を求めんとする。民衆の熱狂はペタン元帥に捧(ささ)げる信頼を示すもの。敗戦から再建へ、全国民の情熱は今、新フランス建設の希望に燃え立ち、この人と共に進軍する。

[4]仏印の陸戦隊街頭行進<週間話題> 00:37

仏印進駐以来、皇軍の威武全土を圧する折から、我が海軍陸戦隊は、この程初めてハイフォンの街頭行進を行い、市内の大通りを始め、支那人街まで隊伍堂々軍艦マーチを吹奏しつつ行進。フランス人·安南人市民を驚嘆せしめ、帝国海軍の威容を示しました。

[5]独大使館で直上飛行機の説明<週間話題> 00:26

一無名青年が、研究発明した、振子(しんし)直上飛行機の模型が18日ドイツ大使館へ持ち込まれ、クロナウ空軍武官を喜ばせました。これは近く赴任する、大島大使がお土産としてドイツへ持って行くことになっている物で、将来空中要塞として、威力を発揮することにならないものでもありません。

[6]米空母ホーネット進水式<週間話題> 00:28

戦争一歩手前、ようやく理性を失い始めたアメリカは軍拡に次ぐ軍拡に狂奔し、軍艦は12日間に1隻ずつ進水。ごく最近も、新鋭航空母艦ホーネット号が、ニューポートニュース造船所で進水しました。この船の総工費4千万ドル、正確なトン数は分かりませんが、海軍当局はアメリカの目指す、両洋制覇大艦隊の新威力であると豪語しています。

[7]米に向う野村特命全権大使<週間話題> 00:32

そのアメリカへ一億国民の真意と覚悟とを伝えるべく、太平洋の荒波を蹴(け)って鹿島立つ特命全権大使、野村吉三郎大将は、1月23日東京駅発、晴れの壮途に尽きました。駅頭には松岡外相、及川大将をはじめ、阿部、杉山、本庄、高橋、永野、吉田の陸海の将星、グルーアメリカ大使ら朝野の名士多数の見送りあり。全権万歳の声に送られて一路横浜港へと向かいました。

[8]中支の飛行機整備員<週間話題> 00:44

1機、2機、3機。全機無事帰還の喜びに浸るのもつかの間、地上勤務員たちは爆撃行に参加した武勲の飛行機の整備点検に血眼(ちまなこ)です。

エンジンの手入れはもとより、1本のねじにも1滴の油にも心を遣い、我が愛児をいたわるように血のにじむ労苦を重ねます。明日の爆撃に備える整備員のこの隠れたる努力あってこそ、我が荒鷲の縦横の活躍は達成されるのです。中支戦線、天狼部隊のある一日です。

[9]珠江沿岸掃蕩戦 01:53

南支の朝風をついて、堂々珠江侵攻を開始した我が海軍部隊。これに対して敵は不遜(ふそん)にも両岸から砲弾の雨を注ぎ、前進を阻止せんとしましたが、我が軍はこれに目もくれず、艦艇の列を連ねて敵の本拠、ジッコ島に驀進(ばくしん)。

かくて1月16日朝、鉄血陸戦隊の精鋭は蓮花山山麓に果敢なる奇襲上陸を敢行。

この地方特有の湿地帯を征服するとともに、鎧袖一触(がいしゅういっしょく)頑敵の抵抗を見事に排除して、強襲また強襲。一挙に敵の本陣に突入して、ここに壮烈なる殲滅(せんめつ)戦を展開。徹底的にこれを覆滅して輝く戦果を収めました。

年月日/1941/19410128/19410128-t-jpn-dea-002-日本新闻.txt · 最后更改: 2024/07/14 00:58 由 127.0.0.1