日本ニュース 戦后編 第86号

1947年(昭和22年)9月02日

[1]09月の声 01:09

<北海道>

秋が北の果て北海道に訪れてきました。

<新潟>

米倉·新潟では早場米の取り入れが始まっています。

<鹿児島>

南の果て鹿児島では楽しい豊年まつり。1年の間の苦労がようやく実を結ぼうとしています。

[2]野菜はどこへ行った? 東京 01:41

東京神田の青物市場は果物だけの市場になってしまいました。丸公のない果物は盛んに出回っています。一方、丸公で統制された野菜はこんなにちょっぴりしか姿を見せません。八百屋の店頭も果物ばかりです。

それでは野菜はどこへ行ったのか。8月25日、渋谷駅前の街頭録音。婦人たちは真剣にこの問題を考えています。

<女性>

「お野菜の配給、ですから、私、つまり、いたずらな自由経済、自由党などが唱えたような自由経済にいたしますと、結局カネを持っている人間が買うと。貧乏人、まじめに生活している人間は、結局その、例えばキュウリが5本10円だったのが、自由経済になると結局その大カネ持ちはたっぷり、キュウリなどは問題ではありませんけど、例えばお肉とか、あるいは高級のお野菜とか」

<アナウンサー>

「ありがとうございます」

<女性>

「この間、私、葛飾区にいるものですから、奥戸市場の再開に行ったんですけども、そこでは業者の方と生産者の方と市場の方と当事者の方とが集まってお値段を協議したんです。そういうように本当に消費者の人たちから出た納得のいくお値段で統制もしていただいて、徹底的に全国的に調査していただいたら、みんなが安心して合理的に食べられるのではないかと。ですから、社会党の方なんですから、政治的に(聞き取り困難)とおっしゃいますから、そういう一言申し上げました」

<女性>

「大変いいご意見だと思います」

[3]鉱山水びたし 秋田 01:22

肥料の原料、硫化鉄の約70%を産出する秋田県花岡鉱山は、去る7月末の大洪水のため坑内まで水びたしとなりました。それ以来3000の鉱山従業員は労働組合を中心に連日地の底で水と闘い続けています。ゆるんだ壁はいたるところで崩れ、鉱毒を含んだ水のため着物もすぐぼろぼろになります。こうして頑張ること一か月、壊滅するかと思われた鉱山も最近ようやく復興の光が見えてきました。

[4]ウ米特使来朝<時の話題> 00:29

中国を視察中であったアメリカ特使ウェデマイヤー中将は、8月24日、東京羽田に到着。商震中国代表らの出迎えをうけました。

[5]民主政治教育連盟生る<時の話題> 00:20

新憲法の普及徹底をはかるため、両院議員716名は、8月25日、衆議院で民主政治教育連盟の結成大会を開きました。

[6]今週の東京裁判<時の話題> 00:32

今週の法廷には近藤元軍令部次長や草鹿元航空参謀らが証人台に立ち、海軍の戦備は泥縄式であったと証言しました。弁護人となった楢橋渡氏や、来朝中のJ·ロックフェラー氏の姿も見えます。

[7]国民体育大会幕ひらく 金沢 00:45

第2回国民体育大会のトップを切って、夏期大会水上競技は22日から3日間、金沢市街の松任プールで開かれました。全国から集まった1200の精鋭は郷土の名誉をかけて熱戦を繰り広げ、かつての名手、遊佐選手も出場、幾多の好記録を続出しました。女子中等では静岡が覇権を獲得、水泳日本の輝かしい将来を期待させました。

[8]行きなやむ登呂遺跡発掘 01:56

静岡の登呂遺跡を8月22日、衆議院文化委員会の福田委員長らが見学に訪れました。2004年前のものと推定される木製の遺物などがそのまま掘り出されています。これはその時代の家の跡です。われわれの祖先たちはこのような家に住んでいたと考えられています。これらの家の近くに作られたたんぼは、現在各地で見られる田よりずっと大きく、しかもきちんと区画されていたらしく、また、あぜは両側を杭で止めしっかりとつくられています。たんぼの中に入るときに足にはいたと思われる田下駄。田を掘り起こす木で作られた馬鍬、同じく木で作られた鍬。しかし、この貴重な発掘作業も国家からの資金が不足のために今行きづまりの状態にあります。

<記者>

「大変大がかりでやらなければできないわけですね」

<発掘関係者>

「だいたい500万円くらいの予算があればできると思いますが」

<記者>

「前回はそのくらいの予算でやられているわけですか」

<発掘関係者>

「今年度は15万円でやっておりますが、学者や、あるいは学生が、本当に献身的に文化国家建設へというような熱意をもってやっていただいているのでこの仕事ができているわけです」

こうして登呂遺跡は、日本歴史の最初のページを開きかけながら、再び埋められようとしています。