1946年(昭和21年)11月12日
[1]主権、国民の手に 新憲法公布 02:24
明治君主憲法に替わって主権は国民の手にあると宣言した新しい日本国憲法公布の日、11月03日、この日、天皇陛下には貴族院の記念式典に親臨、勅語を朗読。
<天皇陛下>
「本日、日本国憲法を公布せしめた。朕は国民と共に、全力をあげ、相携えて、この憲法を正しく運用し、節度と責任とを重んじ、自由と平和とを愛する文化国家を建設するように努めたいと思う」
吉田首相応答。
<吉田首相>
「私どもは全力をあげ、相携えて聖意に沿い奉る覚悟でございます。ここに謹んで奉答申し上げます。」
この日を祝って貴衆両院と首相官邸では1000匹の鯛のお頭つきで盛大な祝賀会が開かれました。官邸では月桂冠の祝杯をあげて、吉田首相や憲法でさんざん苦労した金森国務相がやっと安堵の胸をなでおろした感じでした。
さらに午后、東京都主催の祝賀式典が宮城前で開かれ、新しく日本国民統合の象徴となられた天皇ならびに皇后両陛下を迎えて、参会者は吉田首相の発声で万歳を三唱、戦争を捨てた平和国家の前途を祝いました
<吉田首相>
「天皇陛下万歳を三唱いたしたいと思います。天皇陛下万歳、万歳、万歳」
<参会者>
「万歳、万歳、万歳」
[2]果然、政治問題へ-電産争議- 02:05
吉田内閣は11月05日、自ら求めた労働委員会の電産争議解決案に対し、真っ向から反対。ここに労働調停はついに政治問題となりました。
<林書記官長>
「産業の実情を無視した過大な先例ができては、他の産業もこれに倣う傾向を生じ、日本経済を悪性インフレに導く懸念きわめて濃厚であり、日本再建を困難ならしめるものと思う」
末広委員長これに反発。
<末広委員長>
「政府がこのわれわれの苦心を全然買うことなしに、中央労働委員会の構成した調停委員会の権威を無視するがごとき声明を突如発せられたことは、われわれとしてまことに遺憾とせざるをえないということである」
この調停案によりだいたい要求を認められた電産労働組合闘争本部では、6日、闘争委員会を開いて態度を協議しましたが、政府の横やりに対し議論沸騰、ついに調停案に不満を表明しました。
さらに5日行なわれた労働者大会では、電産をはじめ集まった労働者5000名が、労調法反対、吉田内閣反対を叫び、こうして労働攻勢の前に政府の動向が注目される折りから、さらに社会党は議会解散を要求、政局の前途はようやく緊張を加えてきました。
<社会党 西尾書記長>
「これは吉田内閣の資本主義的保守的性格を暴露したものであって、国民大衆は断じて納得しないのである。政府は速やかに議会を解散して信を国民に問うべきである」
[3]早大優勝 六大学野球<スポーツ> 00:39
6万の大観衆を集めた11月03日の神宮球場、今シーズンの覇権をかけた早慶第2回戦。3回まで両軍得点なし。第4回、早稲田の攻撃、5番バッター山村、2走者を置いてレフトに2塁打を放ち、3塁の鶴田、2塁岡本、くつわを並べて
[4]秋場所大角力<スポーツ> 00:30
進駐軍の体育場としてメモリアルホールと名も変えたもとの国技館、11月06日、櫓太鼓も懐かしい秋場所大相撲の初日、抜け目ない政府の相撲筋や、鳩山氏の顔も見えて、その日の好取り組み、東·相模川、西·羽黒山。
<アナウンサー>
「のこったのこった、のこったのこった」
羽黒強引のつり出しに相模あっけなく敗れました。
[5]“ストも辞せず”教員悲痛な叫び 02:42
争議中の全国教員組合代表は、5日再び田中文相と会見。
<教員組合代表>
「どういう回答をいただいたのか、まったく回答らしい回答としては全然判断がつかないんです」
<田中文相>
「聞き入れられないことをさらに要求されるということであればですね、こちらは嘘を言うことになる」
<教員組合代表>
「しかしですね、あれに対して、例えば最低600円というものに対して、これだけのことはしようとかですね、こういう方法を講じようという、そこになんらかの対策があっていいと思うんですね」
しかしこの日も要領を得ず、先生たちは父兄会で悲痛な訴え。
<教員組合代表>
「なんという答えをしたか。その待遇改善には引き続き努力すると言っただけです」
<教員組合代表>
「何がためにこうしてみなさんの前に自分の生活苦であるものを披瀝しなければならないのでしょう。それは足りなさに耐えきれなくなった私の姿でございます」
こういう先生たちの行動は子供たちの目にどんなふうに映ったでしょうか。
<男子児童>
「先生方はそれを一生懸命やると僕らの勉強が進まないからつまらないと思います」
<女子児童>
「少し勉強が遅れても、あとで本当によい学校になって勉強を教えていただけば、そのほうがよいと思います」
困っている先生方を助けようとみんなで決議した子供たちは、ポスターを書いたり、ビラを張ったり、あるいはまた教育新聞の街頭売りまで始めました。
<男子児童>
「週刊教育新聞1部50銭であります。どうかお買い求めをお願いします」
11月06日「先生しっかり」と子供たちの元気のよい声援に送られて、各学校教員代表は東京四谷第6国民学校に集まり、最后の態度を決める全国大会を開催しました。
<教員組合代表>
「田中文相は7項目の要求を正当であり合理的であると認めながら、この要求をいれないのみか、具体的な措置についてさえも言及することを極力戒厳して、今やきわめて憂慮すべき段階に到達した」
<教員組合代表>
「決議。われらは要求貫徹のため、最后まで団結を志向、われらが最悪の場合には一斉罷業を決行する」