日本ニュース 戦后編 第24号

1946年(昭和21年)06月27日

[1]東京裁判 01:39

11本の国旗の下、フィリピン代表判事も参加して東京裁判は6月13日から本格的な審理に入りました。豪州のマンスフィールド検事が、テーブルに山と積まれた証拠書類を満州事変、三国同盟と項目ごとに読み上げて提出。

「…証拠書類は第10====== 日本ニュース 第0-08号 ======でありまして、これは広田弘毅の内閣官房人事記録でございます」

さらに被告席后ろのスクリーンに日本の侵略を物語る地図が次々に掲げられ、后ろ向きになって眺めいる被告たちの、かつてのはかない夢の跡を示しました。

「えー、次の地図、左側の地図は、1934年すなわち昭和9年より1936年すなわち昭和10年、11年までの状態を示しております」

次いで証人喚問が行われ、18日には東大助教授、海后宗臣氏、翌19日は東大教授、大内兵衛氏、更に京大事件の滝川幸辰教授が証人台に立ち、学園の自由に加えられた侵略主義者の迫害を暴露。軍国主義にゆがめられた過去の日本の教育の実相を白日の下にさらしました。

[2]街の農繁期<時の話題> 00:46

食糧の危機が叫ばれているとき、街の中にも農繁期がやってきました。これは大阪住吉神社の御田植祭り。神功皇后の昔からそのままのしきたりということですが、この五穀豊穣の祈りも肥料不足の今日このごろ、効き目があるといいのですが。

もう我慢がならぬ遅配欠配、頼りにできるのは自分だけだと、町中の焼け跡にまいた麦の種。それが、私も、俺もと、いつしかどこを見ても焼け跡は一面に麦の波。これはまた不手際ながらも楽しい収穫のひとときであります。

[3]高萩炭鉱 争議解決<時の話題> 00:44

労働組合の経営参加を要求、生産管理で戦うこと70日に及んだ高萩炭鉱の争議は、労働者側の勝利をもって終わり、15日、その報告を聞く従業員大会が開かれました。夜業を終えた従業員や家族たちも集まり、長い苦闘をしのんで万歳を絶叫しました。

生産管理が済んだ后は生産が落ちる。こういうデマを吹き飛ばせと、全従業員は大会が終わるとすぐさま、この勝利の意気をそのまま仕事へ、増産へ。

[4]アーニイパイル劇場<時の話題> 00:40

連合軍の兵隊さんたちへの贈り物として、東京名物がまた一つ増えました。沖縄で戦死したアメリカの新聞記者の名前をそのまま、アーニイパイル劇場と呼ばれている元の東京宝塚劇場。舞台では、連合軍から選ばれたのど自慢の合唱団が、得意のカウボーイソング。

(歌)

[5]官僚陣営へ勤労者、攻勢 01:24

(大阪)

吉田内閣が議会で保守的な政策を明らかにした折りも折り、各地で勤労者の保守官僚陣営への攻勢が再び目立ってきました。憲法よりも飯だと、6月16日、大阪では食糧メーデーが行われ、府庁にデモ行進を行いました。

(東京)

一方、東京では20日、かねてより提出中であった飢餓突破資金1000円の要求を全面的に拒否され、東京都労働組合連合会では、21日より業務管理に入る旨、宣言しました。

「…最高闘争委員会を開催いたしまして、規定の方針にのっとって、明日より断固、労務管理に入ることを決定いたしました」(拍手)

その第1日、都電では早くもポスターはりやら親切サービスと、東交組合員の熱意を見せ、学校管理、窓口明朗化などと新手をこらすほかの6組合と歩調を合わせ、活発な活動を始めました。

業務管理を絶対に認めないと主張する都当局に対抗して、都庁内の中央闘争本部では最后まで戦おうと各組合の知能を集めて慎重な作戦会議を行いました。

[6]臨時議会開く 02:48

ちまたに食糧危機の声が満ちあふれているさなか、吉田内閣がその政治方針を国民に問う第90臨時議会は6月20日、天皇陛下親臨貴族院本会議場で開院式が行われました。

<勅語>

「今回の帝国議会には、帝国憲法の改正案をその議に付し、なお、国務大臣に命じて緊要な予算案及び法律案を提出せしめる。各員心を合わせて審議し、協賛の任を尽くすことを望む」

次いで翌21日、吉田首相は施政方針演説を行い、食糧危機突破方策、社会秩序維持などとともに憲法改正問題に触れ、官僚保守政党合体内閣としての立場から、その諸政策を明らかにしました。

「諸君、今議会の劈頭において、新生日本の建設の基盤たるべき憲法改正案が勅命によって付議せられましたのであります。幸いにして今議会は新選挙法による総選挙の結果、成立したる歴史的民主議会であります。政府は、この機会に諸君とともに国家最高の法典たる憲法改正を議することを無常の光栄といたします」

これに対して、社会党片山書記長立って質問の第1陣。

「国民に自由を与える。国民を平等に取り扱うと申しましても、実際に金を持っておりまする人と、持たざる人との間において自由は平等に行われておりましょうか」

(「そうだ!」拍手)

この片山書記長の演説に対する自由·進歩側のヤジから議場混乱。社会自由両党の間に乱闘騒ぎを引き起こしました。吉田首相の言う歴史的民主議会で自由にして公正なる論議が尽くされると期待していた国民大衆の目に、このものすごいありさまはどう映ることでしょうか。

(怒号と乱闘)