1944年(昭和19年)6月22日
[1]米機撃墜 02:36
06月16日未明、支那(シナ)方面よりB-29、およびB-24、20機内外、本土北九州に来襲。我が制空部隊は直ちにこれを邀撃。たちまちその半ばを撃墜破。敵の企図を微塵(みじん)に粉砕した。敵機の残骸(ざんがい)を確認せるもの、7機。これはそのうちのB-29。敵が科学の粋を集めたと誇り、かつは日本本土空襲に用いると呼号した、超空の要塞(ようさい)も、我が制空部隊の鋭鋒の前には、初見参にして見事に砕け散った。
我が戦闘機の的確なる弾痕数多とどめる敵機の標識。
かくのごとき最期を遂げて、なおかつB-29の完ぺきを信ずるや、アメリカ兵。インド、および重慶政府紙幣。防弾チョッキ。豪華なる釣り道具も、三途の川でいかほどの役に立つや。無電機。こうした我が方の大戦果にもかかわらず、敵の我が本土空襲の企図は執拗(しつよう)に続くことであろう。我等(われら)はますます警戒を厳にし、瞬時も怠ることなき覚悟を固めなければならぬ。
[2]生産挺身 兵器工場の動員学徒 02:32
現下の情勢は、我々兵器の増産に当たる者として、一刻の偸安(とうあん)も許さない状態にあることは、言うまでもないところである。きょうも、きのうに増して、一層増産に励むべく、諸君の健闘を望みます。
宣誓。1、忠節をつくし、勤務を励むこと。2、規律を守り、長上を敬うこと。3、信義を重んじ、礼儀を正しゅうすること。4、言行を慎み、質素を旨とすること。5、学徒勤労報国隊員たるの本分を自覚し、班の機密を厳守すること。右の諸法を確守し、海軍の勤務に服することを誓う。
きょうも元気に、真剣に。旋盤に取りついて学徒は働く。そしてそれはあすも、あさっても、戦いに勝つ日まで。ペンを旋盤に、あるいはボール盤に代えて、さらに教室を工場に代えて、数年勤労の覚悟のほどは、01日、01日と生産高を高めていく、前線の威力を生み出していく。今日この時、この現実のさなかから、敵をたたきつぶし、打ちのめす、鉄のごとき若者の意思が鍛えられ、作り出されていくのだ。額に汗し、油にまみれて学ぶ学徒諸君、君たちはまさに新しい姿で立ち現れた学徒だ。しかも新しき日本の頭脳たるに疑いはない。その未来の頭脳が、腕に筋金を入れ、精密機械の技術を修め、やがて社会の第一線に立つときの頼もしさに、国家は深い期待をかけているのだ。
[3]自動車修理工場の勤労学徒(大阪) 00:55
学徒の通年勤労は、大阪の自動車修理工場にも速やかな理解を示して、能率を上げている。早くも複雑なエンジンの分解組み立てをものにした。成果は直ちに輸送力の増強をもたらした。学徒の捧(ささ)げる勤労の力が、国運の発展と組み合って、あらゆるところに脈々と波打っている。
[4]海軍衣糧廠で軍服を縫う女学生 03:02
敵機、既に本土西端を猛爆し、帝都空襲の機を窺(うかが)う。有力なる敵機動部隊、また我が内南洋の守り、サイパンの一角を襲うあり。この異常なる緊迫裏にあって、あえて無用の恐怖にとらわれることなかれと言う。既に総力戦の体制全くなって、国内戦場の気、神州にみなぎる。ここに見るうら若き海軍衣糧廠(しょう)、女子勤務員の面から、我々は何を学ぶ。裁断機を握り、ミシンに取りつき、精魂の限りを尽くす、日出ずる国の乙女たち。立たずんばやまぬこの気迫。この闘魂に表裏してたゆむことなき技術、科学の進歩改善が、生産能率の向上へと正しく付与される時、敵米英の野望を、物量を、真っ向から打ちひしぐ栄えある勝利がもたらされるのだ。米英に時を貸すな。増産は今だ。