日本ニュース 第129号

1942年(昭和17年)11月24日

[1]前田大将以下 陸軍葬 01:50

新生ボルネオ建設の偉業なかばに、惜しくも陣没した前ブルネオ方面陸軍最高指揮官前田利為大将、ならびに副官臼井唯一少佐、陸軍技師阿野勝太郎操縦士の英霊3柱を送る陸軍葬は、11月20日、東京築地本願寺において、いとしめやかに執り行われました。東條陸相、切々の弔辞を奉読。

諸儀終わって、焼香に移れば、3発の弔銃、澄み渡る秋空にこだまする。遺族は大いなる我が父、我が夫、我が子の前に決別の祈りを捧(ささ)ぐ。

生前の面影をしのぶ肖像の前に、赫々(かくかく)たる武勲を物語る勲章も今は悲し。

[2]銃后総進軍翼賛壮年団に団旗 00:31

降りしきる秋雨もなんのその、真白き大旆(たいはい)をかざして一億国民の中堅たる団員実に140万。銃后総進軍の陣頭を飾る晴れの団旗制定なって、一同は宮城前広場に参集。聖寿万歳を奉唱して大政翼賛の誓いを新たにする。

[3]今日ぞ農民晴れの表彰式 01:00

本年度、米の予想収穫高6700余万石。この輝かしい増産に奮闘した農業功労者、同じく団体に対し、新嘗祭(にいなめさい)の佳き日を選び、東條首相は官邸において親しく表彰状を授与し、その労をねぎらい、感謝激励の言葉を述べる。

<東條首相>

「この戦争大事変におきまして、ご存じのとおりの豊作をみることができたのであります。これ実に天佑神助のもとに、皆さまがた農民各位が、戦時下のあらゆる悪条件を突破して、一意増産に努められました血と汗との結晶であります。」

[4]生産拡充へ全国技術者会議 02:12

産業報国会では11月19日、東京で第2回全国技術者会議を開催。小泉厚相挨拶の后、各工場より参集した技術指導者は、増産強化に、能率の増進に、こもごも意見を交換。

「戦陣訓その2、第5率先躬行に示されたる。“幹部は熱誠を以て百行の範たるべし。上正しからざれば下必ず紊る。戦陣は実行を尚ぶ。躬を以て衆に先んじ毅然として行ふべし”なる、こういう名言は生産工場においても、そのまま適用せられるのでございます。労務者は指揮者が真に心から国家を思い、また我らのためを思って尽瘁(じんすい)を成しておると、こう心から感激したときにおいて初めて全力をその指揮者のために、すなわち生産に傾注するものでございます。そうでありますからして、生産能率増進のためには、その中心核たる規律点すなわち指揮者の偽らざる率先躬行、これがあらゆる方面に具体的になることが第一歩であると考えます。」

次いで一同は都下模範工場の一たる日立精機工場を訪問。新型工作機械や就業状態を熱心に視察し、多大の成果を胸にそれぞれの職場へ戻りました。

[5]岸商工大臣 転業者激励 02:05

生産力拡充に銃后の勤めを果たすべく、敢然立って転業した中小商工業者更生の姿を視察するため、岸商工大臣は1日(いちじつ)、郡山の日東紡績を訪れ、今はすっかり仕事に慣れきったこれらの人々に心から激励の言葉を贈りました。

<岸商工大臣>

「今回、この工場に参りまして、諸君のこの工場における勤めぶり如何(いかん)と、諸君に立派にやるかどうかということが次に来たるべき何十万の人々の手本になるわけです。私は諸君のご努力と今后の奮闘とを心からお祈りする次第であります。どうかしっかりやってください。元気で。」

(岸商工大臣の演説続くが、音声中断)

[6]建設進む南方の産業 02:53

マラリアの特効薬キニーネを含むキナの木は、東インドの特産物として広く栽培されています。まず、優良種子の選定が行われます。選ばれた種が大地にまかれて、豊かな太陽のもとにすくすくと育っていく。

苗が育つと、接ぎ木をされて品種改良の手が下されます。

オランダの長い圧政から解放された住民たちは、若い苗木のように明るくたくましく、キナの採集に共栄圏建設の誠を捧(ささ)げて働いています。

熱帯期の作戦に、また建設に、なくてはならぬキニーネは、このキナの木の皮に含まれています。はがされた皮は、乾燥の后、製薬工場に送られます。いたずらに豊かな物資保有を誇る米英にも、この貴重なキナの資源は誠に乏しく、世界産出量の9割5分を占める東インドのキナは、南の重要資源のひとつとして、わが軍政下に力強く増産が進められています。

我が同胞、先駆者たちの血と汗の努力が今、立派に実を結んで、マニラ麻は東亜の資源として、その生産加工が旧に倍して拡充されています。

かつてはこの工場も、アメリカの資本主義に支配されて、わが同胞のせっかくの労作もアメリカの商品として彼らに牛耳られていました。今やこのような障害もなくなり、工場はわが手によって経営され、美しく光る麻の繊維がアジア復興の新しい希望に燃えるフィリピン人工員の手によって加工され、強靱(きょうじん)な綱が共栄圏建設の一役を担って続々と作り出されています。

東亜共栄圏は、日本の大きな指導によって、着々と建設されていくのであります。