日本ニュース 第45号

1941年(昭和16年)04月15日

[1]賀陽宮殿下台臨習志野軍馬祭 01:13

無言の戦士、軍馬の労をねぎらわせ給う。賀陽少将宮殿下のありがたい思し召しにより、殿下をはじめ奉り同妃殿下、若宮様、閑院若宮妃殿下おそろいにて台臨(たいりん)の下に、習志野営地習武台では4月13日壮烈な供覧演習を行いました。統裁官田原大佐の指揮刀閃くや、機械化部隊、歩兵部隊を加えた東西両軍の快速部隊は砂塵(さじん)を上げて突撃戦を展開、実践さながらの攻防ぶりは頼もしき限りでありました。

[2]新軍令部総長に永野修身大将 00:29

伏見軍令部総長宮殿下にはかしこくも金枝玉葉(きんしぎょくよう)の御身をもって満9年2ヶ月余りの長きにわたり軍令帷幄(いあく)の大任に奉仕あそばされましたが、このたび御離任あそばされ、后任として4月09日、軍事参議官永野修身大将が軍令部総長に親補(しんぽ)されました。

[3]古式床しく聖徳太子御遠忌 00:53

大和法隆寺における聖徳太子千三百二十年御遠忌法要は11日厳かに奉修され、まず大修理落慶式、並びに宝蔵殿落成式があり、終わって御遠忌法要に移りました。

東院より太子の御像、並びに御社領法要、延々3町にわたる大行列で大講堂にくりこみました。

かくて国宝舞台では妙なる楽の音につれ、胡蝶、蘇莫者(そまくしゃ)、万歳楽、延喜楽など優雅な舞楽が演ぜられ、ゆかしくも古い我が文化の香りに拝観する者等しく恍惚(こうこつ)境にひたりました。

[4]白衣勇士に贈る盟邦の感謝 01:36

日本の兵隊さん、ご苦労さま。祖国イタリアも今生きるか死ぬかの戦いを続けていますと、思いは同じ盟邦イタリアの大使館で春光燦々(さんさん)と降り注ぐ8日の午后、白衣の勇士250名を招待して慰めの園遊会を開きました。

「本日は我々将兵多数の者を当大使館にご招待くださいまして、またただいまは大使閣下より懇切丁重なるご慰問の言葉をかたじけのういたしまして、私ども、感謝感激に耐えません。」

会場にはインデリ大使をはじめとして館員たちも勇士の中に交じりあるいは踊りにあるいは歌に楽しいひとときを過ごし、合わせて遠くヨーロッパ戦線の盟邦勇士の上に思いをはせました。

[5]再起の日を待つ物言わぬ戦士 01:10

皆さん、黙々と働く無言の戦士、愛すべき軍馬も気候風土の異なる大陸では病気もすれば、また壮烈な戦死も遂げて、祖国への忠誠を尽くしています。

ここは中支那鎮江に設けられた軍馬の療養所。不幸にして病魔に侵され、砲弾に傷ついた多くの軍馬が送られてきます。「あそこが痛い」「ここが苦しい」と物言うによしなき軍馬は優しくいたわってくれる兵隊さんを唯一の頼りに、再起の日を待ちつつ病魔の克服に努めています。人間よりも大きな馬が親に甘えるようになつく姿はなんといじらしくもかわいいものではありませんか。

かくて病癒えた軍馬は再び戦線へ、御奉公のいななきも高々と出動していきます。これら軍馬の武運長久を祈りましょう。

[6]春はボールの音から 02:17

東京大学野球春のリーグ戦は春爛漫(らんまん)の12日、神宮球場に華々しく開幕されました。さて、今シーズン、いずれのチームが好調にあるか。覇権(はけん)を目指して猛練習を続ける各陣営をのぞいてみましょう。

まず前シーズンの優勝校、明大。藤本、林の両投手、依然健在。また攻撃陣の主力を社会に送った今年の明治は、打撃陣の充実に努めています。安井、河西、宮本の粘りと一塁の加藤、三塁を守るアワセの強打に多大の期待がかけられております。さらに伝統を誇る走塁に一段の猛練習を行い、快速明大の神髄を発揮しています。

昨秋惜しくも覇権を逸した慶應は日吉台の新設グラウンドに移転。森田監督の注意深い目が投手団に注がれています。タカツカ、ヤマムラ、シラキ、ナリタ。キャプテンタカギ、この豊富な投手陣と、それをリードする老練井上捕手。内野は三塁宇野、遊撃大館、二塁中田、一塁イワモト。鉄壁の内野陣を誇っています。

他校に比べて早大は、頼みとするは主戦投手石黒君一人という寂しさ。早稲田の安否は実に石黒君の右腕にかかっています。これを助ける精悍な捕手小野君。この投手陣の手不足を補うため、打撃早大の再建に伊丹監督指導の下に真剣な打撃練習が続けられています。フジイ、マツイ、小野くんらが攻撃陣の主力となるでしょう。かくて一投に一打に、熱球争覇を巡って青春の敢闘が展開されています。

[7]電撃戦の華工兵隊の猛演習 01:48

ドイツのバルカン作戦は開始以来、旬日ならずして既にドイツの圧倒的勝利が明らかとなりましたが、この勝利の影にはたゆまぬ努力で固めた猛演習が絶えず繰り返されています。これはドイツ工兵隊の壮烈果敢な演習。場所はフランスの占領地域。山岳地帯に築かれた堅固なトーチカ陣地の爆破作業であります。

石綿でこしらえた特別の服に身を固め、悪魔のごとく火を吐く火炎放射器を携えた一隊は歩兵部隊援護の下に、敵陣深く殺到し、塹壕の一角を奪取。さらに猛烈な火炎でトーチカへ、トーチカへと敵兵を圧迫しつつ進撃するという新戦術。この胸のすくような新戦術が目下バルカン山岳地帯に繰り返されているのであります。