日本ニュース 第36号

1941年(昭和16年)02月10日

[1]奉祝二千六百一年紀元節 00:46

謹んで紀元節の佳節を寿ぎ奉る。高千穂の聖業、万古に揺るがず、悠久二千六百有一年、皇威今、糸綸(しりん)にあまねく。聖戦ここに五星霜(ごせいそう)、国威燦(さん)として陸海にふるう。ここに我ら民一億、粉骨砕身、聖恩の有難きに応え奉らんことを誓いまつる。

[2]泰·仏印調停東京会談開始 02:11

母国の運命を賭して、泰·仏印和平会議に出席する泰国主席全権委員プリンス·ヴァンヴァヂヤ氏一行は2月05日いそかぜ号で羽田飛行場に一番乗りをしました。翌6日仏印から派遣されたゴーティエー氏ら5名も元気で到着、宿舎に向かいました。かくて、英米の策謀を一蹴(いっしゅう)して東亜共栄圏における帝国の指導的地位を名実ともに確立する、両国紛争調停の歴史的会議は2月07日首相官邸に開幕。日仏泰各代表の挨拶。

<日本代表>

「私は大東亜共栄圏の確立ということは皇国の方針と言うにとどまらず、また世界史上実に歴史的必然性を有するものと信ずるものであります。而(しこう)して大東亜共栄圏内の諸邦が各々(おのおの)そのところを得て、共存共栄を成すことは東亜のため、引いて世界平和のために貢献するゆえんと考えるものであります。」

<仏代表>

「仏国代表は閣下と同様に、衝平と正義に基づく和平協定が、速かに成立して関係諸国に幸福を齎(もたら)し恒久的平和が、出来る事を熱望しその為に全力を挙げて努力します。」

<泰代表>

「日本政府は今般の仏印に、于ける泰仏紛争調停に当り、東亜の盟主たる地位に鑑(かんが)み、極東全般の永久的平和と秩序維持を達成すべく、眞劔(しんけん)な熱意を示し且つ又、極めて崇高なる責任感をこゝに、立証せられました。」

[3]明治神宮体育大会 白熱の冬季競技 01:41

銃后若人が腕を競い、技を争う、第11回明治神宮国民体育大会冬季大会は聖恩の旗を遠く札幌の会場に迎え奉って、2月04日まず入場式を挙行。全国各地より参加の選手団およそ2000名。若人の頬(ほほ)、紅と燃えて真摯(しんし)敢闘、体育翼賛の誠を誓いました。かくていよいよ豪華なる雪の祭典の火蓋(ひぶた)は切って落とされ、第2日呼び物の軍隊競技に移れば、陸海軍59チームの勇士ははるかに大陸の戦野をしのんで、勇猛果敢、雪の進撃を開始。斥候(せっこう)部隊は白雪を蹴(け)って山野を縦走。

難関、渡河地点においては5名の一団相協力して次々とこれを突破。

重々しい軍装に身を固めつつも26kmの長距離を見事に征服。結局、陸軍では北部63部隊が2時間58分34秒をもって制覇。

海軍は大湊要港部第1班が3時間1分29秒の好記録をもって決勝点に入り、それぞれ優勝の名誉を担いました。

[4]荒鷲協力鉄牛部隊の猛進 01:09

向かうところ、常に頑敵を粉砕して常勝の武勲に輝く我が南支軍鉄牛部隊の将兵は、士気いよいよ旺盛(おうせい)を極め、敵陣をにらんで余裕綽々(しゃくしゃく)。実戦にも比すべき猛訓練を重ねつつあります。命令一下、行動を開始した鋼鉄部隊は猛進また猛進、阻むものはこれを撃ち、遮るものはこれを払い、全員火と燃えて怒濤(どとう)のごとく敵陣に迫ります。空陸一体、見事なるこの協力こそ、無敵皇軍の精華にして侵攻作戦の神髄と言うべく、かくて仇敵(きゅうてき)粉砕の日に備えています。

[5]初代の駐日中国大使着任<週間話題> 00:58

日支提携親善の重任を担う、新生国民政府の最初の駐日大使チョ民誼氏は2月05日東京着、中華民国大使館に入りました。3年ぶりに開く大使館の内外はうれしい興奮に沸き返り、華僑代表や留学生たちも心から大使を歓迎。続いて大使は次のごとく着任の挨拶を述べました。

<新生国民政府チョ民誼駐日大使>

「本日の盛大なる御歓迎に、私は心から感謝致します、日支両大民族が互ひに良く、了解し合ひ、親善関係を増進する為に、是非皆様の御協力を御願ひ致します」

[6]西貢の無名戦士碑を弔う陸戦隊<週間話題> 00:41

泰·仏印停戦協定の会場となった帝国軍艦乗組の海軍陸戦隊将兵は、2月04日軍艦旗を翻して、歩武堂々とサイゴン市中を行進。沿道市民の喝采(かっさい)を浴びつつ、先の大戦に倒れた仏印無名戦士の碑前に整列。

仏印、海軍陸戦隊堵列(とれつ)のもとにハラ部隊長は花輪を捧(ささ)げてその霊を弔い、並みいる市民の感激を集めました。

[7]下田高女生徒の海浜体操<週間話題> 00:39

身を切る寒風に興亜乙女の息も高く、静岡県立下田高等女学校の生徒たちが心身の鍛錬に努めています。多々戸の浜の波打ち際、真冬の日の光をいっぱいに浴びて、毎週1回全校生徒400名が描き出す、たくましくも麗しき海浜体操風景です。

[8]米大統領三選就任式 01:40

アメリカの久しい伝統を破って、三度選ばれたルーズベルト大統領の就任式は、1月20日首都ワシントンに行われました。この日の警戒、ことのほか物々しく戦争近しの感、いよいよ深きものがあります。裁判長ヒューズ氏による宣誓式。

(宣誓式)

<ルーズベルト氏>

「我、フランクリン·ドナルド·ルーズベルトは 北米合衆国の大統領の職責を忠実に遂行し、且つ余の全能力を以って、合衆国の憲法を守護すべき事を厳粛に誓ふ。」

<裁判長ヒューズ氏>

「神、汝を助けん。」

<ルーズベルト氏>

「神、我を助け給へ。」

次いで、ウェストポイント陸軍士官学校とアナポリス海軍兵学校生徒による分列行進が、彼の世界制覇の野望をかき立てるかのごとくに繰り広げられ、アメリカの悪夢は今その絶頂に達したかの感を示しました。

※大統領の名前の表記について 日本ニュースでは、「フランクリン ドナルド ルーズベルト」と表記していますが、正しくは英語で「Franklin Delano Roosevelt」です。